既契約者リストから追加契約・紹介を引き出します
保険募集人のための 保全の基本と実務

契約保全とは? 既契約・既契約者とは— 保険募集人の実務後回しになりがちな、5つの仕事

契約保全・既契約・既契約者とは

契約保全とは、契約が成立したあとに既契約者へ行うアフターフォロー全般のこと。保険の保全・保全業務とも呼ばれます。既契約とは、すでに成立して続いている契約のこと。既契約者とは、その契約をお預かりしているお客様(既加入者)です。中身は、この5つです。

📋契約内容の確認
🏠住所・口座の変更手続き
🏥給付金・保険金請求サポート
👨‍👩‍👧ライフ変化での見直し案内
💬定期的な接点づくり
この5つが続くほど、解約も失効もせずに続く契約=継続契約が残ります。

ここまでが、言葉の意味です。そのうえで、ひとつだけ。

——いま担当している既契約者のうち、この1年で一度も連絡していない人は何人いますか。

数えられなくても、手を抜いているからではありません。数百名を一人ずつ追える人が、そもそもいないからです。解約は、その「数えられない期間」に静かに進みます。

既契約者への連絡が途切れるたびに、解約リスクと紹介機会が流れています。個別相談で、あなたのリストから追加契約と紹介を引き出す接点の型を設計します。

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CONTENTS / 目次(全6章+FAQ)
  1. 保険募集人にとって「保全・解約防止」とは何か
  2. なぜ保険は解約されるのか — 解約の本当の理由
  3. 解約防止のカギは「接点を切らさないこと」
  4. LINE公式アカウントで保全業務を仕組み化する
  5. 保全は「守り」だけではない — アップセル・紹介が生まれる
  6. 改正保険業法2026 — 新規が細るからこそ「保全」が効く
  7. 保全・解約防止を仕組みにする — Llinks
  8. よくある質問(FAQ)

CHAPTER 01保険募集人にとって「保全・解約防止」とは何か

保全業務とは、契約が成立したあとに既契約者へ行うアフターフォロー全般を指します。契約内容の確認、住所や口座の変更手続き、名義の変更、給付金・保険金請求のサポート、ライフステージの変化に応じた見直しの案内、そして定期的な接点づくりまでが含まれます。新規契約を獲得する「攻めの営業」に対して、保全はすでにある契約を守り育てる「守りの営業」です。募集人の仕事はこの2つで成り立っており、どちらが欠けても事業は続きません。そして解約の多くは、ある日突然ではなく、担当者との接点が切れた期間に静かに進みます。だからこそ解約防止の核心は、引き止めの話術ではなく、既契約者へ役立つ情報を定期的に届けて接点を切らさない仕組みをつくることにあります。

保全手続きとは — 契約後に発生する主な手続き

保全手続きとは、契約後にお客様の側で起きた変化を契約に反映させるための、一連の手続きのことです。生命保険の実務では、おおむね次のようなものが該当します。

どれも派手な仕事ではありません。しかし「困ったときに連絡が取れる人がいる」という感覚は、この手続きの積み重ねからしか生まれません。手続きの依頼が来るかどうかは、接点が生きているかどうかの目安にもなります。

「解約防止」は保全の中核

保全業務のなかでも、とりわけ重要なのが解約防止です。解約には、顧客の意思による中途解約のほか、保険料の未払いによる失効も含まれます。いずれも「契約という成果が逆戻りする」という点では同じです。せっかく時間をかけて獲得した契約が解約されてしまえば、その努力は振り出しに戻ってしまいます。

継続率は、募集人の収入に直結する

解約防止が大切な理由は、顧客のためであると同時に、募集人自身の収入を守ることでもあるからです。一般に保険の販売手数料は契約後の一定期間にわたって支払われ、早期に解約された場合には手数料の戻入(チャージバック)が発生することもあります。つまり、契約の継続率(持続率)は、そのまま募集人や代理店の収益基盤を左右します。継続契約が積み上がっている募集人ほど、翌年以降の収入の見通しが立ちます。

新規契約を1件増やす労力と、いまある契約を1件守る労力を比べると、多くの場合「守る」ほうがはるかに小さくて済みます。にもかかわらず、保全は「後回しにされやすい仕事」の代表でもあります。次章では、その「後回し」が解約をどう招くのかを見ていきます。

この章のポイント
保全業務は、既契約者を守り育てる「守りの営業」です。なかでも解約防止は、顧客の利益と募集人の収入の両方を守る取り組み。継続率は収益基盤に直結するため、新規開拓と同じくらい優先すべきテーマです。

CHAPTER 02なぜ保険は解約されるのか — 解約の本当の理由

解約を防ぐには、まず「なぜ解約されるのか」を正しく理解する必要があります。表面的な理由はさまざまですが、その根っこにある原因はかなり共通しています

表面的な理由と、その奥にあるもの

顧客が口にする解約理由として多いのは、「保険料の負担が重い」「他社からよい提案を受けた」「いまの自分には必要ない気がする」といったものです。しかし、これらの多くには共通の前提があります。それは、契約後、担当者との接点がほとんどなかったということです。

図|解約に至る3つの引き金
💸
引き金1|家計の見直し
支出を点検したとき、内容を思い出せない保険が真っ先に削減候補になる。
🤝
引き金2|他社からの提案
別の募集人から声がかかったとき、相談できる担当者がいないと心が動く。
引き金3|必要性の実感の薄れ
何のために入ったか曖昧になり、「とりあえず解約」という判断に傾く。
3つの引き金はどれも、「担当者との接点が切れていた」ときに解約へつながりやすくなります。

解約は「放置されている」と感じたときに起きる

契約のあと連絡がなく、担当者の顔も思い出せない——そんな状態の顧客は、心のどこかで「自分は放置されている」と感じています。その状態で、家計の見直しや他社の提案といった「引き金」が引かれると、保険は真っ先に解約候補になります。相談できる相手がいないので、顧客は誰にも声をかけずに、一人で解約を決めてしまうのです。

逆に言えば、定期的な接点が保たれていれば、顧客は解約を決める前に、まず担当者へ相談してくれます。「保険料がきつくて」と一言もらえれば、払済保険や減額など、解約以外の選択肢を一緒に検討できます。相談してもらえること自体が、最大の解約防止策なのです。

見落とされやすい「オーファン顧客」

解約リスクが特に高いのが、オーファン顧客——前任者の退職などで担当者が不在になった既契約者です。引き継ぎ直後は信頼関係がゼロに近く、人数も多くなりがちなため、一人ひとりへの対応が後回しになりやすい層です。オーファン顧客をどうつなぎ直すかは、代理店全体の継続率を大きく左右します。

押さえておきたいこと
解約の表面的な理由は人それぞれでも、根っこにあるのは「接点の途切れ」です。解約は当日の引き止めで防ぐものではなく、接点が切れる前に手を打つもの——この発想の転換が、解約防止の出発点になります。

CHAPTER 03解約防止のカギは「接点を切らさないこと」

第2章で見たとおり、解約の根っこにあるのは「接点の途切れ」です。だとすれば、解約防止の答えはシンプルです。既契約者との接点を、切らさずに保ち続けること——これに尽きます。

接点が切れた「空白期間」に解約は静かに進む

解約は、突然の決断ではなく、長い空白期間のなかでゆっくり育ちます。契約直後はあった信頼が、連絡のない数か月、数年のあいだに少しずつ薄れ、やがて「この保険、何だったかな」という状態になる。

そこへ引き金が来れば、解約は一気に表面化します。つまり、解約を防ぐ勝負どころは「解約の申し出があったとき」ではなく、その何か月も前の、接点のない静かな時間にあります。

なぜ保全は「後回し」になってしまうのか

接点維持が大切だと分かっていても、多くの募集人がそれを続けられません。理由は、意識の問題ではなく物理的な限界にあります。

結果として、保全は「やったほうがいいのは分かっているが、手が回らない仕事」になります。だからこそ必要なのは、気合や根性ではなく、接点維持を「仕組み」に変えることです。

この章のポイント
解約は接点のない「空白期間」に静かに進みます。接点維持が続かないのは意志の弱さではなく物理的な限界。だからこそ、保全は手作業ではなく「仕組み」で回す必要があります。
ここまでの答え合わせ

接点を切らさない、を「気合」から外す

数百名に毎月連絡する。これは、意志の問題ではなく物理の問題です。だから答えは「もっと頑張る」ではなく、届ける中身と届けるタイミングをあらかじめ決めておくこと。具体的には、月1〜2回の情報配信・節目の自動あいさつ・いつでも入れる相談窓口、この3点セットです。記事の後半で、これを実際にどう組むかを解説します。

個別相談では、あなたの既契約者リストを見ながら、追加契約と紹介が生まれる接点の型をその場で設計します。

CHAPTER 04LINE公式アカウントで保全業務を仕組み化する

接点維持を「仕組み」に変える——その最も現実的な方法が、LINE公式アカウントの活用です。LINE公式アカウントは、企業や個人が顧客とLINE上でつながり、メッセージを送れる無料から使えるサービスです。多くの人が毎日使うLINEだからこそ、保全の接点として届きやすく、続けやすいという強みがあります。

ただし、LINE公式アカウントだけでは越えられない壁が3つある

LINE公式アカウントは、無料から使える強い「器」です。ただ、保全に使おうとすると、多くの人がここで止まります。

① 誰が友だち追加してくれたのか分からない。お客様が友だち追加をしても、それが誰なのかは分かりません。名前が分からなければ、契約情報と結びつけることも、こちらから個別に送ることもできません。数百名つないでも、打てるのは全員一律の一斉配信だけになります。

② 送る中身がない。月1〜2回の配信が要ると分かっていても、毎回ネタを考えるところから始まります。最初の2か月は書けます。3か月目に、止まります。「めんどくさい」「時間がない」「ネタがない」——止まる理由は、だいたいこの3つです。

③ リッチメニューに載せる中身がない。相談窓口を常設しようにも、そこに置くプロフィール・クチコミ・予約フォーム・紹介の導線が手元にありません。空のメニューは、置いても押されません。

どれも器の性能の問題ではなく、中身の問題です。この記事でここまで書いてきた保全は、器だけでは回りません。

手作業の保全と、仕組み化した保全の違い

図|手作業の保全 と 仕組み化した保全
続かない
手作業の保全
電話や訪問で一人ずつ連絡。人数が増えると回らず、接点が途切れていく。
続く
LINEで仕組み化した保全
数百名へ一斉に・自動で接点を届けられる。人数が増えても破綻しない。
保全の差は努力量ではなく「仕組みがあるかどうか」。仕組みがあれば、接点は人数に関係なく保てます。

LINE公式アカウントで実現できる4つの保全

LINE公式アカウントを使うと、これまで手作業では続かなかった保全を、次の4つの形で仕組みにできます。

1
既契約者をLINEでつなぎ、連絡先を「途切れない形」で持つ
電話番号や住所は変わると追えなくなりますが、LINEの友だちはつながり続けます。「契約内容のご案内をLINEでもお送りします」など自然なきっかけで、既契約者を友だちにつなぎ直します。これが保全のすべての土台になります。
2
売り込みのない情報配信で、月1〜2回「自然に記憶に残る」
新NISA・iDeCo・税制・家計など、関心の高いお金の話題を月1〜2回のリズムで配信します。売り込みではなく「役に立つ情報」を届けることで、顧客の記憶に自然に残り、契約時の信頼があたため直されます。
3
誕生日・契約応当月の自動メッセージで「節目の接点」を逃さない
誕生日や契約の応当月といった節目に、自動でメッセージを届けます。一斉配信だけでは機械的になりがちな接点に、一人ひとりに向けた「節目のあいさつ」が加わることで、放置されていない安心感が生まれます。ただし、この「その方だけに、節目に自動で」を実現するには、誰がいつ契約した人なのかを一人ひとり紐づけて管理できることが前提になります。ここが、友だち追加だけでは埋まらない部分です。
4
リッチメニューで「いつでも相談できる窓口」を常設する
LINEのリッチメニュー(トーク画面下の固定メニュー)に、相談予約・問い合わせ・契約内容の確認といった入口を並べます。顧客が「ちょっと聞きたい」と思ったときに、いつでもワンタップで担当者にたどり着ける——この常設の窓口が、解約の前の相談を呼び込みます。

解約の「兆候」を早めにつかむ

LINEでの接点には、もう一つの効果があります。配信への反応や、顧客が押したメニュー・答えたアンケートから、「家計を気にしている」「保障の見直しを考えている」といった関心のサインを、タグとして把握できることです。

解約の申し出が出てからでは手遅れになりがちですが、兆候の段階でつかめれば、こちらから先に「最近いかがですか」と声をかけられます。解約を「防ぐ」とは、この一手を早く打てることに他なりません。

LINE公式アカウントを保険営業全体でどう活かすかは、LINE公式アカウント活用法でも詳しく解説しています。

コンプライアンス上の注意
保全のための情報配信では、特定の保険商品の売り込みは控えるのが原則です。配信は所属先で承認された範囲の一般的な情報提供にとどめ、具体的な商品提案や見直しは、一人ひとりの意向を確認できる個別相談の場で行ってください。「配信は接点を保つ場、個別相談は提案の場」と役割を分けることが、信頼の維持とコンプライアンスの両面で大切です。

CHAPTER 05保全は「守り」だけではない — アップセル・紹介が生まれる

接点を切らさない保全は、解約を防ぐ「守り」の取り組みです。しかし実は、同じ接点が「攻め」——追加提案や紹介——の源泉にもなります。守りと攻めは、別々のものではありません。

「保険屋さん」から「お金のパートナー」へ

多くの顧客は、募集人を「保険のことだけを相談する人」と捉えています。ところが、保全の情報配信で新NISAやiDeCo、家計や資産形成といった話題に継続的に触れていると、その認識が少しずつ変わっていきます。「保険屋さん」から「お金まわり全般のパートナー」へ——この変化が起きると、顧客は資産形成や保障の見直しを、自然とこちらに相談してくれるようになります。

接点があるからこそ、流出を防げる

たとえば「新しいNISA口座を、別の金融機関で開いてしまっていた」——これは、接点が切れているあいだに起きる典型的な流出です。日ごろからお金の情報を届け、相談窓口が見えていれば、顧客は「まずあの人に聞いてみよう」と考えます。保全の接点は、解約だけでなく、こうした「相談機会そのものの流出」も防ぎます

追加提案・紹介は、信頼があたたまった先に生まれる

既契約者は、契約時に一度こちらを信頼してくれた人たちです。その信頼を保全で保ち続ければ、ライフステージの変化に応じた追加提案(アップセル・クロスセル)や、知人の紹介といった成果が、無理なく生まれてきます。紹介を増やす考え方は紹介がもらえない時の対処法でも解説しています。

既契約者を「眠れる資産」として活かす考え方は、保険募集人のセミナー営業見込み客がいない時の対処法でも取り上げています。

CHAPTER 06改正保険業法2026 — 新規が細るからこそ「保全」が効く

保全・解約防止にいま取り組むべき理由が、もう一つあります。2026年6月1日施行の改正保険業法です。

新規集客を支えてきた「便宜供与」が縮小する

改正では、金融庁の公表によれば「保険会社等による保険契約者等への過度な便宜供与の禁止」などが措置されました。これに伴い、保険会社が代理店・募集人向けに費用や集客を支援してきた「セミナー協賛」などの慣行も、業界全体で縮小・停止が進んでいます。つまり、これまで新規集客を後押ししてくれた支援は、縮小する方向にあります。

現場で起きていること
これは「将来の話」ではありません。業界大手のリーズ会社への取材(2026年5月)では、「6月の施行を待たず、すでに大型代理店も含めてセミナー協賛の停止がほぼほぼ進んでいる」との証言が得られています。新規集客の前提は、すでに現在進行形で変わり始めています。

新規が高くつくほど、「いまある契約」の価値が上がる

新規契約を獲得するコストが上がれば上がるほど、相対的に価値が高まるのが、すでにある契約を守り、深めること——つまり保全です。1件の新規を取る労力で、複数の既契約者の解約を防げるなら、経営として後者を優先するのは自然な判断です。改正保険業法は、保全・解約防止を「後回しでよい守りの仕事」から「経営の生命線」へと位置づけ直す転換点といえます。

改正保険業法の内容と代理店経営への影響は、改正保険業法2026 完全ガイドで詳しく解説しています。新規集客そのものの考え方は保険営業の集客ガイドもあわせてご覧ください。

SURVEY / 導入者100名アンケート
「保全を仕組みにしたい」は、あなただけの動機ではない
Llinks導入者100名に「導入した目的(入口)は何ですか」と尋ねたところ、最も多く選ばれたのは「既契約者へのアフターフォローの効率化」(78P)でした。次いで「既契約者からの追加契約(見直し)を増やしたい」(65P)、「既契約者からの紹介を増やしたい」(56P)。導入の入口は、新規開拓ではなく保全でした。
※ 当社調べ。Llinks導入者100名を対象としたアンケート(複数回答可)。「P」は回答者の選択ポイント数で、回答の多さを相対的に示すものです。本結果は調査時点のものであり、個別の事例であって、すべての方に同じ成果を保証するものではありません。
FOR INSURANCE ADVISORS

連絡が途切れた既契約者ほど、追加契約と紹介の伸びしろが大きい

接点が途切れた層はそのまま解約に向かいます。個別相談では、あなたの既契約者リストを前提に、最初に動かすべき層と届ける一手を決め、追加契約・紹介が生まれるルートを一緒に設計します。

月額¥9,800〜(税抜)・税込¥10,780〜/初期費用0円・解約縛りなし。2026年6月1日施行の改正保険業法で、保険会社による募集人向けの支援は縮小・停止が進んでいます。既契約者との接点を整え直すのは、いま始めるほど積み上がる種類の仕事です。

よくある質問(FAQ)

Q. 契約保全(保全業務)とは何ですか?

契約保全(保全業務)とは、契約が成立したあとに既契約者へ行うアフターフォロー全般を指します。契約内容の確認、住所・口座などの変更手続き、給付金・保険金請求のサポート、ライフステージの変化に応じた見直しの案内、そして定期的な接点づくりまでが含まれます。

新規契約を獲得する「攻めの営業」に対して、保全はすでにある契約を守り育てる「守りの営業」です。保全がしっかりしているほど契約の継続率が高まり、追加提案や紹介の土台にもなります。

Q. 既契約・既契約者とは何ですか?

既契約とは、すでに成立して継続している保険契約のことです。その契約をお預かりしているお客様を既契約者(既加入者)と呼びます。これから提案する相手が「見込み客」であるのに対し、既契約者はすでに一度こちらを信頼してくれた方たちです。

前任者の退職などで担当者が不在になった既契約者は、とくにオーファン顧客と呼ばれ、解約リスクの高い層として区別されます。保全(契約後のアフターフォロー)の対象は、この既契約者です。

Q. 保全手続きとは、具体的にどんな手続きですか?

契約後にお客様の側で起きた変化を、契約に反映させる手続きの総称です。住所・電話番号の変更、口座や払込方法の変更、改姓や契約者・受取人の名義変更、給付金・保険金請求のサポート、そして払済保険への変更・減額・契約者貸付といった解約以外の選択肢の案内までが含まれます。

どれも単体では小さな手続きですが、これを通じて連絡が取れる状態を保てているかどうかが、解約防止を大きく左右します。

Q. 解約防止はなぜ保険募集人にとって重要なのですか?

契約の継続率(持続率)は、募集人や代理店の収入に直結するからです。一般に保険の販売手数料は契約後の一定期間にわたって支払われ、早期に解約されると手数料の戻入(チャージバック)が発生する場合もあります。つまり解約は「せっかく獲得した売上が逆戻りする」こと。

さらに、解約を防げれば新規獲得に使う時間とコストを抑えられ、その既契約者は追加提案や紹介の源泉にもなります。解約防止は、守りであると同時に経営の効率を大きく左右する取り組みです。

Q. 保険が解約される一番の理由は何ですか?

保険料の負担や他社への乗り換えなど理由はさまざまですが、その根っこにあることが多いのが「担当者との接点が切れていた」ことです。契約後に連絡がなく、顔も思い出せない状態になると、顧客は「放置されている」と感じます。

その状態で家計の見直しや他社からの提案というきっかけが来ると、保険は真っ先に解約候補になります。逆に、定期的な接点が保たれていれば、顧客は解約を決める前にまず担当者へ相談してくれます。解約防止の核心は、接点を切らさないことです。

Q. 既契約者へのフォローは、どのくらいの頻度で行えばよいですか?

目安は月1〜2回程度の情報発信です。重要なのは回数そのものより「売り込みのない、役に立つ接点」を一定のリズムで続けることです。毎回保険の話をするとかえって敬遠されますが、新NISA・iDeCo・税制や家計など関心の高いお金の話題であれば、敬遠されにくく「この人の発信は役に立つ」と感じてもらえます。

加えて、誕生日や契約応当月など節目のあいさつを添えると、機械的でない接点になります。手作業で数百名に続けるのは難しいため、配信の仕組み化が現実的な前提になります。

Q. 担当者が退職した「オーファン顧客」はどう保全すればよいですか?

オーファン顧客(前任者の退職などで担当者が不在になった既契約者)は、解約リスクが特に高い層です。引き継いだ直後は、まず「新しい担当になったこと」を確実に伝え、連絡が取れる状態をつくることが最優先です。

そのうえで、いきなり提案するのではなく、役立つ情報発信や契約内容の確認案内を通じて、ゼロから信頼を築き直していきます。オーファン顧客は人数が多くなりがちで個別対応に限界があるため、LINEなどで連絡先をつなぎ、フォローを仕組み化しておくことが解約防止の鍵になります。

Q. 解約の申し出があったとき、どう対応すればよいですか?

解約の申し出は、頭ごなしに引き止めるのではなく、まず理由をていねいに聞くことから始めます。保険料の負担が理由なら払済保険や減額などの選択肢、必要性を感じないという理由ならライフプランの再確認など、解約以外の方法が顧客の利益にかなう場合があります。そのうえで顧客の意向を尊重して判断します。保険料の負担が理由であれば、払済保険への変更・減額・契約者貸付といった、解約以外の選択肢を情報としてお伝えできる場合があります。判断に迷う場面は、所属先のコンプライアンス担当にご確認ください。

ただ、申し出があった時点では手遅れになりやすいのも事実です。本当に大切なのは、申し出が出る前から接点を保ち、家計や保険の不安を早い段階で相談してもらえる関係を保っておくことです。

Q. LINE公式アカウントは保全・解約防止にどう役立ちますか?

LINE公式アカウントは、既契約者との接点を切らさず保つための実用的な道具です。友だちにつないだ既契約者へ、役立つ情報を一斉配信して自然に記憶に残し、誕生日や契約応当月には自動メッセージであいさつを届けられます。

リッチメニューを置けば、顧客はいつでも相談予約や問い合わせができる窓口を持てます。さらに、配信への反応や関心タグから「家計を気にしている」といった兆候を早めにつかみ、解約の申し出が出る前にフォローへ動けます。手作業では難しい「数百名への継続的な接点」を仕組みとして実現できます。

Q. 保全のための情報配信で、保険を売り込んでもよいですか?

保全を目的とした定期配信では、保険の売り込みは控えるのが原則です。毎回商品案内が届くと「また営業か」と敬遠され、かえって接点が断たれてしまいます。

配信の中心は、新NISAやiDeCo、家計やインフレ対策など、顧客の関心が高く役に立つお金の情報に置きます。そうして「この人の発信は読む価値がある」という関係を保ち、見直しや追加の必要が出たときに顧客のほうから相談してもらう——この流れが理想です。具体的な商品提案は、一人ひとりの意向を確認できる個別相談の場で行います。

Q. 改正保険業法2026で、保全の重要性はどう変わりますか?

2026年6月1日施行の改正保険業法は、保険会社等による保険契約者等への過度な便宜供与を禁止するものです(金融庁公表)。これに伴い、これまで保険会社が代理店・募集人向けに行ってきたセミナー協賛など新規集客を支えてきた支援も、業界全体で縮小・停止が進んでいます。業界大手のリーズ会社への取材(2026年5月)でも、すでにその影響が現場で進んでいるとの証言が得られています。

新規獲得のコストが上がるほど、すでにある契約を守り、深めることの価値は相対的に高まります。つまり改正業法は、保全・解約防止を「後回しでよい守りの仕事」から「経営の生命線」へと位置づけ直す転換点といえます。

Q. Llinksは保全・解約防止にどう使えますか?

Llinks(エルリンクス)は、保険募集人専用に設計されたLINE営業・保全マーケティングツールです。既契約者をLINEの友だちとして一元管理し、売り込みのない情報配信を月1〜2回テンプレートで定期発信、誕生日や契約応当月の自動あいさつ、相談予約や問い合わせを集約するリッチメニュー、関心タグによる解約兆候の把握などを標準搭載しています。

手作業では続かない「数百名への継続的な接点」を仕組みにすることで、解約を防ぎ、同時に追加提案や紹介の機会も生み出せます。

ご相談の前に、よくいただくご質問

Q. 月額のほかに費用はかかりますか?

初期費用は0円です。ベーシックプランが月額¥9,800〜(税抜)・税込¥10,780〜で、LINE連携などの初期設定サポートは料金に含まれます。配信の中身までおまかせするプランが税込¥14,850/月の2プラン構成です。

オリジナルのリッチメニュー制作などのオプションをご希望の場合は、お申込み前に費用を必ず事前にお伝えします。あとから想定外の請求が発生することはありません。

Q. 解約の縛りや最低契約期間はありますか?

ありません。長期契約を前提とした拘束はないので、まず始めてみて、ご自身の顧客リストで回るかどうかを確かめていただけます。

Q. 既契約者が数十名でも意味はありますか?

友だちが数十名の段階から始めた方の事例もあります。人数の多さより先に、思い出してもらえる接点をつくれるかどうかです。※ 成果には個人差があり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。

Q. すぐに契約しなくても、話だけ聞けますか?

大丈夫です。個別相談では、あなたの既契約者リストに合わせて、何をどの順番で届けるかの設計をご案内します。その場で決めていただく必要はありません。LINE公式アカウントをまだ作っていない状態からで構いません。

既契約者リストが眠ったままでは、追加契約と紹介は生まれません。個別相談で、最初に動かすべき層と届ける一手を、その場で決めます。

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春野高利
AUTHOR / 本記事の執筆者
春野 高利(はるの・たかとし)
株式会社デザートブルーム 代表取締役 / Llinks(エルリンクス)開発者
保険業界の実務経験25年以上。ソニー生命のライフプランナーを経て、来店型保険ショップを23店舗まで展開し、朝日生命へ事業売却。代理店協会理事を歴任。現在は株式会社デザートブルーム代表として、保険募集人専用のLINE営業・保全マーケティングツール「Llinks(エルリンクス)」を独自開発・提供している。Llinksは自社で開発したシステムで、外部ツールを基盤とはしていない。改正保険業法2026年6月1日施行後のいま、募集人が既契約者との接点を切らさず、解約を防ぎながら契約を深めていく仕組みづくりを支援している。
→ プロフィール・経歴・主な発信の詳細
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